ボーナスや昇給は組合で交渉しましょう。
支給前の制度についての交渉
支給後の是正を求める交渉
労働基準法第2条 労働条件の決定 労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。
支給基準、支給日、査定、どれもが交渉できます。
第一歩:昇給月、ボーナス支給月の1ヶ月から2ヶ月前に、要求を出そう。
求人票を確認しよう
「昇給あり」「ボーナス○ヶ月」と書いてあったら、要求しましょう。
もし、大きく隔たりがあれば、過大広告の可能性があります。
雇用契約書を確認しよう
昇給月、ボーナス支払い月が書かれていたら、要求しましょう。
就業規則を確認しよう
就業規則に、昇給について、ボーナス支給について記載されています。
「○月に支払う」と書かれていれば、必ず払ってもらえます。
「○月に支払う。ただし、経営状態悪化の場合は払わないことがある」と書かれていたら、払われない時には、相応の経営状態確認をしましょう。
雇用身分で支払いの差がある場合は、要求しましょう。
団体交渉では、こんなことを確認できます。
- 基準値(何ヶ月分か、または定額の金額はいくらか)
- 支給原資総額(その事業全体での、ボーナス金額総額はいくらか)
- 支給金額の根拠となる経営数字(売上、営業損益、経常損益などです。売上が上がっているのに、利益が減ったなどの理由がある場合は、営業損益の内訳も聞きましょう)
- 平均値(単純に全体の支給金額を割った場合にいくらになるのか)
- 加重平均(平均年齢でいくらの支給になるのか)
- 査定の有無(欠勤や遅刻が対象になる勤怠査定と、その他の項目を対象にする考課査定があります)
- 査定対象期間(査定をする以上、必ず必要です。期以外の内容を査定に入れさせないためです)
第2歩:査定制度、賃金システムには、主にこんなものがあります。リミックスして運用されることが多いです。
どのような査定でも、対象期間前に、査定制度が確立していなければ労働者にとっての単なる不意打ちになってしまいます。対象期間前に交渉をしましょう。
勤怠査定
対象期間中の、欠勤、遅刻をその割合に応じて引く査定です。有給休暇取得日数がここで引かれていたら、労働基準法違反の疑い濃厚です。また数字で計算できる査定です。人によって扱いが違っていたら、これも交渉すべきです。割合は、対象期間中の所定労働日数中の欠勤割合で計算することが殆どですが、過大な控除がある場合も、交渉しましょう。
考課査定
勤怠と違い、評価によって査定される項目なので、ハロー効果、好き嫌い査定など、問題が発生する査定項目です。最近は「査定は経営権の一つだから、社長の好き嫌いで査定して何が悪い」と居直る社長さんや、社労士さん、弁護士さんがいますが、好き嫌いだけで人事を行う会社の先行きは決して明るくはなりません。
また、勤怠と違い、システムを作るだけでも作業量がそこそこあります。さらに、運用をするとなると管理者の業務が増加します。そういう意味で、事務部門(不採算部門)を縮小したい会社、事務部門が充実していない会社、中小零細企業ではコンサルタントに頼んで導入はできても、自社でやらなくてはならない運用が十分にできないところが多多見受けられます。考課査定にお金をかけるよりも、支給額を増やしてもらった方が、労働者はよっぽど働くのに、と思います。
団体交渉としては、査定資料一式の提出、査定者教育の内容などを確認し、おかしなところの訂正を求めていきましょう。
相対査定
支給する原資総額を、ABCなどの評価人数で割り振りを決めて支給する査定です。この方法ですと、10人がおんなじように頑張って仕事をしていても、プラス金額の多い人、なぜか引かれてしまう人が出ます。
どんなに頑張っても差が出てしまうこと、また、割り振りの結果としての支給額となることから納得できない理不尽な査定結果になってしまうことが多い方法です。
絶対査定
あらかじめ、ABCなどを頑張や成果などに対応して決定し、そこに各人に対する評価で割りふるものです。10人が10人とも頑張っていればA評価になります。
成果主義
2000年前後にちょっと流行りましたが、今はだいぶ下火です。会社の業績と個人の成果による計算式を作成して支払う方法です。制度設計がわかりにくい上、会社の業績という従業員全員の成果が、個人の成果によって分配される問題がありました。行き過ぎると、協力しなければならない作業が、成果に反映しにことから非協力的になるなど、職場が荒む原因にもなりました。
目標管理
査定期間の初めに、労働者と査定者が対象期間中にめざる目標を設定し、対象期間終了後に目標が達成できたかどうかの記載及びミーティングをして、達成度に応じて支給する方法です。一見民主的なようなのですが、運用を間違えると、労働者に自主的な目標設定をさせなかったり、労働者がした評価を認めないなどのトラブルが発生します。
職務職能給における査定
職掌規定を設定し、その職掌に応じた業務遂行内容と評価を決め、当てはめていくやり方です。分量のある査定システムがなければ、査定結果に合理性があるかないかの検証ができません。
第3歩:ボールナス支給後、査定内容に納得できないときは、説明を求めよう。異議を述べよう。交渉を求めよう。
雇用主は、労働組合から要求があった時に、誠実応諾義務があります。
そして、誠実応諾義務には、十分は説明をする義務があります。
十分な説明には、必要な資料を提出する義務があります。
労働組合は相談を受け、組合員と相談しながら次のような要求を考えます。
1、要求月数、要求金額、支給日。
当組合では統一要求はありますが、各職場の状況に合わせてリフォームします。
2、支給対象者
3、査定制度についての是正
労働組合は、雇用主と交渉し、妥結すると協定書を締結し、妥結内容の支給を得ます。
労働組合が要求を出しているのに、勝手に会社が勝手な内容で支給すると労働組合法第7条違反の不当労働行為になります。
賃上げ、ボーナスの不満は労働組合で交渉する以外に、良い方法はありません!
「春闘」って知ってますか?
4月昇給の歴史は春闘の歴史です
就業規則に賃上げ時期は何と書いてありますか?
多くの会社では「4月に昇給する」などの記載があるはずです。今は日本のほとんどの会社が4月昇給ですが、外資などでは「都度上司が必要と判断した時」などと書いてあります。
「春闘」という言葉が遠くになってしまっても、「4月に一斉に賃上げ交渉をする」という春の賃上げ交渉運動が残したものは、4月の昇給です。
「都度上司が判断」となると、給料の決定権を全て会社に委ねてしまうことになります。
4月の昇給に合わせて、みんなで賃上げ交渉をする事、お給料の決定に労働者の声を反映させるために、欠かせない事なんです。
地域の組合と一緒に行動する事が利益。
一人で「お給料あげてください」と言うと、社長はなんと言うでしょう。「それだけの働きをしているのか」と言われたり、「そんな事言う奴はクビだ」と言われたり。
「お給料あげてください」と職場の仲間で集まって労働組合を作って要求すると、会社はきちんと答えないといけません。
それでも、会社の回答には「同業他社さんも同じような水準」「うちは高いほう」「嫌なら別の会社にいけば良いじゃないか」などと言うものがあるのも事実です。
そこで、「同業他社さん」「お近くの会社」にも労働組合があ理、一緒の時期に交渉できれば「同業他社さんも賃上げしましたよ」、とか、「この近所では一番賃金安いですよ」と交渉する力を得ることができるものです。
それで、賃上げを自分の会社とだけでなく、地域、業種、日本全国で一緒の時期にやったら力になるだろうと言うことで、生まれたのが春闘です。
今は、「自分だけが良ければ良い」と言う大企業さんも多くなって、春闘も下火ですけれど、地域の組合と一緒に行動を春に行うことで、「自分一人でない」「自分ところの組合だけない」要求を会社に知らせることができます。
一緒に春の闘いをしませんか?
私たちは三多摩春闘交流実行委員会と言う団体を作って、春の行動をしています。
最低賃金を15000円に!と言う取り組み。
2018年10月から2019年9月まで、東京都最低賃金は985円です。1日8時間働いて7880円。労働基準法最低基準の労働時間である月平均174.6時間働いて171981円です。税金払って、社会保険払うと手取りは12万円くらいでしょうか。東京で家賃を払うと、残りは僅か。最低賃金1500円という数字は、1日8時間働いて12000円。月平均174.6時間働くと261900円の総支給額になります。やっと一息つける金額です。
労働基準法で定められた1日8時間週40時間の勤務は、年365日-51日曜日-52土曜日=年間労働日数262日。×8時間で年間総労働時間2096時間。1ヶ月平均労働時間174.6時間。これが日本の最低労働時間です。