社会的合理性のない解雇は無効です
労働契約法第16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
労働基準法第22条 労働者が、解雇の予告をされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は遅滞なくこれを交付しなければならない。
第一歩:「それは解雇ですか?」
「解雇」と明確に言う場合もありますが、多くの雇用主は、「争いを避けるため」「解雇に伴う責任を避けるため」、曖昧な言い方をよくします。雇用主の言葉の意味をまずは確認しましょう。
もしも、退職勧奨であれば
「私は退職しません」とはっきり告げれば、辞める必要はありません。
「退職しない」と何度も断っているのに、しつこく退職を強要してくる場合は、
ハラスメントです。
第2歩:解雇理由書をもらいましょう。
解雇理由書に記載されている解雇理由が、法律で禁止されている解雇か
社会的合理性のない解雇か、判断しましょう。
解雇理由書を持って、労働組合に相談に来てください。
法律で禁止されている解雇
労働基準法第19条解雇制限
労災で休業した期間およびその後30日間」「産前産後の女性が休業する期間および30日間」期間中に解雇したものは無効
労働組合法第7条第1項に定める不当労働行為
「組合に加入したことおよび組合活動を理由とした不利益扱い」に該当する解雇は無効
公益通報者保護法第3条
「解雇の無効」として定める「当該労務先・行政機関・被害の拡大を防止する為に必要であると認める者」に対する公益通報をしたことによる解雇は無効。
「雇用の分野における男女の均等な機会および待遇の確保などに関する法律」
略称「男女雇用均等法」第9条
「女性労働者が婚姻・妊娠・出産・産前産後休暇を請求したこと」を理由とする解雇及び妊娠中の女性及び出産後1年を経過しない女性に対する解雇は無効
不当解雇の判断基準
解雇手続きに問題がある場合
★再三にわたる注意、指導、教育訓練のない、「仕事ができない」「期待した能力がない」ことを理由とした解雇。
★懲戒事由の存在しない、懲戒解雇
★就業規則が周知されていないにも関わらず、就業規則に基づいて発令された解雇
★人事権のない上司から通知された解雇
解雇理由に問題がある場合
★企業運営に具体的支障が及ぶとは考えられない私生活上の問題
★ 職場秩序維持に障害を及ぼすとは考えられない労働者の職場外の行為に対し解雇したもの
★労働者の能力が使用者に損害を与えずまたは与える恐れのない経歴詐称
★ 他の従業員、過去の会社内処分状況に比べて著しく重い処分となる解雇
★ 単に「嫌いだから」という意味での解雇
★就業規則に基づく解雇であっても、その就業規則が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合。(たとえば、就業規則に労働組合活動の禁止の記載があり、これに基づく解雇は無効)
第3歩:労働組合と相談をしてから、就労の意思表示をしましょう。
解雇をされても、納得していない気持ちは伝えないと伝わりません。
職場の人たちにも、納得していないことをわかってもらうために、就労通知書を持って、
職場に就労を求めにいきましょう。
労働組合は相談を受け、次の事などをご本人と相談します。
1、解雇撤回、原職復帰要求
2、未払い残業代などの未請求債権の確認
3、ハラスメントなどの確認
4、訴訟、第3者機関での係争の準備
5、就労闘争支援