契約名称は問いません。実態上の労働者であれば、個人事業主契約でも労働者としての権利が使えます。
労働組合法第3条 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者をいう。
労働基準法第9条 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われるものをいう。
労働契約法第2条 この法律で「労働者」とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいう。
泣き寝入りする必要はありません
第1歩:労働者の権利について知ろう
労働者であれば以下のように守られます。
- 労働基準法 有給休暇、残業代、8時間労働時間規制、他、労働者保護法
- 雇用保険加入 離職した時生活保障があります
- 労災保険加入 仕事で病気、怪我をした時の保障があります
- 社会保険加入 病気になった時、傷病手当金があります
- 労働組合法 事業主と対等の立場での交渉ができます
「個人事業主」契約でこんなに無権利に扱われています
- 明日から来なくもいいと言われても、保護してくる法律なし
- 有給休暇なし
- 退職金なし
- 労働時間規制なし
- 離職後の生活保障なし
- 病気になった時の保証なし
- 個人交渉以外に事業主との交渉ができない
第2歩:労働基準法上の労働者かどうかを、確認をしよう。
- 労働者性について、1985年厚生労働省「労働基準法研究会報告」で以下の基準が作られています。
この基準に当てはまるかどうか、確認してみましょう。
- 仕事の依頼への諾否の自由
- 業務遂行上の指揮監督
- 時間的、場所的拘束性
- 代替性
- 報酬の算定、支払い方法
- 機械・器機の負担
- 報酬の額に現れた事業者性
- 専属性
第3歩:労働組合上の労働者かどうかを、確認しよう。
泣き寝入りせず、交渉出来ます。
以下の事例が労働組合法上の労働者であると最高裁判所で認められた例です。
- 職業音楽家など CBC管弦楽団事件 新国立劇場運営財団事件
- 業務委託契約者 INAXメンテナンス事件 ビクター事件 ソクハイ事件
判断基準
- 事業組織への組み込み
- 契約内容の一方的決定
- 報酬の労務対価性
- 業務依頼の諾否の自由がないこと
- 業務遂行への指揮監督、時間的場所的拘束の諸要素
第4歩:私たちの労働組合では「フリーランス」「請負」「個人事業主」「委託」契約をしている実体上の労働者の方の交渉を数多く手がけています。
労働組合は相談を受け、ご本人と相談しながら次のような要求を考えます。
1、労働保険(雇用保険、労災保険)加入
2、社会保険(厚生年金、健康保険)加入。
3、残業代請求
4、雇用契約書締結
5、無権利状態からの脱却
6、不利益の是正
7、都合の良いところどりの是正